行動の変容と意思決定
さて、この心理学読み物でも何回か書いていますが、心理カウンセリングの大きな目標の1つにクライエントの方の行動の変容があります。
当然のことながら行動の変容の前には、自分に対する思いこみ、自己概念を見直すことが必要となります。
そして、自分に対する思いこみが見直されたあと、今までとは違う行動をとり、新たな自分創りにチャレンジするのです。
さて、新たな自分創り、行動の変容に際しては、今までとは違った行動を選択して実行するのですから、その行動を実行するというクライエントの方の意思決定が必要となってきます。
この意思決定には、新しい行動を選択する意思決定と、新しい行動を実行する意思決定の2つがあります。
では、心理カウンセリングにおいてクライエントの方が新たな行動を選択・実行する際の意思決定選択はどのように進めるのが良いのでしょうか。
カウンセリングは双方向のコミュニケーションですので心理カウンセラーが一方的に何らかの方法を押し付けることは出来ません。
それが仮にクライエントの方の変容に役立つものであると分かっていてもです。
行動の変容を目標とするのであれば、そこに至るための様々な方法(行動)や予想される結果を、クライエントの方と十分話し合い、クライエントの方が納得して選択していただかないといけません。
そして、クライエントの方がある行動を選択することを決定したが、次回カウンセリング時にまでに実行していなかったとしても、それを責めてはいけないのです。
なぜなら選択した行動を実行しないことを決定されたわけですから、ここでもクライエントの方の意思決定を尊重するのです。
しかし、この場合なぜ選択した行動を実行出来なかったか、心理カウンセラーとクライエントの方の間で十分に話し合う必要があります。
そして、双方理解納得のうえ、再度新しい行動を考えていけばいいのです。
この件に関して、「カウンセラーのためにアサーション」金子書房刊に次のような文献があります。
カウンセリングのかかわりのなかで、カウンセラーは自分がどう反応し、どう言うかということについて常に瞬間的な判断をして動いています。
そのときにそれがクライエントの変化に役立つようなかかわりになっているかどうかが大きな問題となります。
こうしたとき、クライエントが自ら変化を起こすような気持ちになれるということが重要です。
クライエントに対して操作的な気持ちが強くなり、一方的にクライエントを変化させようとすると、クライエントの主体性を無視した攻撃的なかかわり方となります。
カウンセラーが自分の気持ちをきちんと表現できて、相手の話も傾聴する、その上でクライエントがカウンセラーの言葉を気持ちよく受けとめて変化へと動き出せることが大切なのです。
助言するときも、具体的で現実的な提案をし、そのことについてクライエントが自由に自分の意見を言える、時にはそれに反論したり断ったりも自由にできる、そうした自由な表現を保証していくことも必要になるでしょう。
いかがでしょうか。
心理カウンセリングにおいて心理カウンセラーがクライエントの方に助言したことをクラエントの方は反論、断る権利もあり、それを心理カウンセラーは受けとめる。
まさに受容であり自由なコミュニケーションの世界ですね。
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