心理カウンセラーの「自己一致」とは何か

カウンセリングにおいてクライエントの方にかかわる重要な要素として、「自己一致」があげられます。

これは心理カウンセラーの自己一致のことですが、「自己一致」という言葉の示すものは何でしょうか。

「自己一致」とはカウンセラーがクライエントへの反応に率直で、ありのままでいるときに一致していると定義されています。
では、心理カウンセラーがクライエントへの反応に率直で、ありのままでいるとはカウンセラーの心理状態はどのような時なのでしょうか。

心理カウンセラーがクライエントの方の体験を聴いている際、その体験、感情、思考をクライエントの方と一緒に感じて経験している、共有している。
クライエントの方を100%受容して話しを伺っている状態であると言えると思います。

ですから心理カウンセラーの「自己一致」とは、クライエントの方の経験、感情、思考等とカウンセラーが一致している状態なのです。

カウンセリングにおいて理想的な状態と思います。

では「自己一致」が在るのでしたらその逆「自己不一致」とはどのような状態なのでしょうか。
「自己一致」が心理カウンセラーとクライエントの方の一致でしたので、「自己不一致」とは心理カウンセラーとクライエントの方との不一致であると定義してよいのではないでしょうか。

すなわち心理カウンセラーがクライエントの方の話しを伺いながらも、その体験や感情、思考等を100%受容、共感していない状態なのです。

以前私がカウンセラーの養成校に通っていた時は、心理カウンセラーに「自己不一致」の状態が起こった時は、不一致が起こっていると認識しながらカウンセリングを進めるようにと指導されました。

「自己不一致」とは心理カウンセラーがクライエントの方の話しを聴きながらも、クライエントの方に対して疑問や反発を抱いたり、不十分な理解の状態に陥っていますが、その状態を認識していることが大切であると教えられました。
すなわち心理カウンセラーが「自己不一致」であることを認識していることです。

それでは心理カウンセラーはクライエントの方の話す事柄について、ずっと「自己不一致」の状態のままで良いのでしょうか。
理想としては「自己不一致」を「自己一致」の状態に高めるべきではないでしょうか。

すなわちクライエントの方を100%受容出来ていない状態から、100%受容出来る状態へ高める方が有効なカウンセリングを展開出来ると思うのです。

ではなぜ心理カウンセラーに「自己不一致」の状態が起こるのでしょうか。
そこには心理カウンセラーの問題として、クライエントの方の話しを自らの経験や価値観と合わないと感じた時に、クライエントの方の話しに疑問や反発を抱き、相手理解の不十分な状態に陥からだと思います。

不思議なもので人間、相手の話しが自分の価値観等と違うとその話しを深く聞きたがらない傾向があります。
カウンセラーも人間ですから、カウンセリング中この状態に陥ることはあるでしょう。
しかしこれは問題です。

なぜならば、この状態に陥ると心理カウンセラーのクライエントの方に対する理解がおざなりになるからです。
この状態になった時こそ。よりクライエントの方に対する無条件の肯定的関心の精神のもと、受容性を高める必要があるのです。

これによりクライエントの方の話しを深く伺い、クライエントの方の話す内容に対するヴィジョンが高まり、共感理解が深まると思うのです。

したがって「自己不一致」を起こしている部分について、クライエントの方により深く話して頂き、その内容を深く理解することが重要なのです。

クライエントの方により深く話してもらうためには、「質問」が有効です。
他、心理カウンセラーが率直にクライエントの方に対して、話されている内容のこの部分が理解出来ません(言葉は最大限の注意が必要)とお伝えしてもいいかもしれません。
面談を通してある程度の信頼関係が築けているのであれば、クライエントの方はカウンセラーに理解してもらいたい気持ちからお話しをされるのではないでしょうか。

いずれにせよ、クライエントの方に対する「自己不一致」が起こっているのであれば、クライエントの方により深く話して頂くことにより、クライエントの方の理解を深め、「自己一致」の状態に高めた方が良いカウンセリングが出来るのです。


お問い合わせは下よりお願いします。

相互リンクのお申し込みはこちらです

サイト内関連記事

心理カウンセリングとは何か そして人は何を求め心理カウンセリングを受けるのか
「カウンセリング」「カウンセリング」と、最近よく聞きます。 しかし、このカウンセ......
心理カウンセリングとは何か・2 心理カウンセリングの目標は行動の変容のみか
前回クライエントの方は「自身の抱えている生き辛さに対して、いかに対応するか、いか......
心理カウンセリングにおける対象となるクライエントについて
クライエントの方が心理カウンセリングを受けに来られる理由は「自身の抱えている生き......
心理カウンセリングにおいて行動の変容はなぜ起こるのか
心理カウンセンリングはクライエントの方の生き辛さからの解放のために、行動の変容を......
心理学とは何か 
心理学とは何か この質問に明確に答えるのは私には難しいと思います。 そもそも心と......
心理学とは何か・2 
心理学、学問の定義は大変難しいです。 前回は國分先生の説をご紹介しました。 今回......
心とは何か
心理学は心を対象とします。 でも、心とは何でしょうか。 心とは一体どのように形成......
心の回復とは何か 自己概念の変容から行動の変容まで
前回心について私の思っていることを書かせていただきました。 心の形成は、人生の体......
行動の変容と意思決定
さて、この心理学読み物でも何回か書いていますが、心理カウンセリングの大きな目標の......
心理カウンセラーのカウンセリングにおける専門領域は必要か
さて、心理カウンセリングにおいて心理カウンセラーは、深くかかわっている悩み相談の......
心理カウンセリングの役割・柱
心理カウンセリングの役割・柱について考えたいと思います。 この心理学読み物のコー......
同情と共感
同情と共感の違いとは何でしょうか? 心理カウンセリングをしていても、この同情と共......
心理カウンセリングにおける共感について
心理カウンセリングにおいて大切なことの1つに心理カウンセラーの共感があります。 ......
受容について
前回は共感の大切さと、共感をするためにはクライエントの方の話しを素直に聴くことを......
心理カウンセラーに求められる能力
心理カウンセラーに求められる能力にはどのようなものがあるでしょうか。 今回ある講......
心理カウンセラーに求められる資質
前回は心理カウンセラーに必要な能力に対して書かせてい頂きました。 今回は前回の内......
人生の悩み 心理カウンセラーと人生哲学
心理カウンセリングとは何か。 この心理学読み物の冒頭に心理カウンセリングとは何か......
心理学を学ぶことの意味 それは自分を知りより良い人間関係を築くために有効です
心理カウンセラーになる予定のない方が心理学を学ぶことに意味はあるのでしょうか? ......
心理学とカウンセリング 
心理学とカウンセリングの違いとは何でしょうか。 心理学は学問です。 カウンセリン......
出来ないカウンセリング・1 クライエントの方の強固な自己否定
心理カウンセリングにおいて、クライエントの方の抱いてる問題が解決されないままカウ......
出来ないカウンセリング・2 第3者を変えるカウンセリング
心理カウンセリングにおいて、第三者を変えて欲しいという依頼を受け賜ることが稀にあ......
精神療法とは何か 心理学辞典より
皆さんこんにちは。 心理学読み物をお読み頂きありがとうございます。 この心理学読......
カウンセリングと心理療法
前回、精神療法とは何かについて書きました。 精神療法と心理療法、その違いははっき......
精神医学について
前回より精神療法等について書いてきました。 精神療法に関連するキーワードとして精......
心理カウンセラーは精神疾患の判断をするべきか
心理カウンセリングにおいて心理カウンセラーは、クライエントの方についての精神疾患......
心理カウンセラー・心理カウンセリング・心理学に対する誤解
世間では心理カウンセラーに対する誤解があるようです。 その1つの原因はメディアの......
潜在意識の問題に対して
心理カウンセリングを言語を媒介とした援助行為と捉えますと、心理カウンセラー、クラ......
心理カウンセリングにおける心理カウンセラーの自己開示ー1
自己開示とは自分のことをオープンにすることです。 すなわち、自分の経歴、思ってい......
心理カウンセリングにおける心理カウンセラーの自己開示の有効性
心理カウンセリングにおいて心理カウンセラーが自己開示をする効果として、どのような......

▲このページのトップへ

HOME