出来ないカウンセリング・2 第3者を変えるカウンセリング

心理カウンセリングにおいて、第三者を変えて欲しいという依頼を受け賜ることが稀にあります。
しかし、カウンセリングで第三者を変えることは極めて困難であると思っています。

ではまず第三者とは何者であるか?
考えていきましょう。

第三者とはクライエントの方と関わりがあって、クライエントの方にとって問題のある人、関心のある人、何とかしてあげたい人と定義出来ます。
そしてこの第三者とはカウンセラーから見て、第三者ということであります。

具体的には・・・。
・タバコ中毒の夫⇒タバコは健康に悪いので辞めさせたいと思う妻。
・ひきこもりの息子⇒何とか社会復帰させたいと思う母親。
・何か問題があると逃げる彼⇒逃げずに一緒に考えて欲しいと思う彼女。

いずれもクライエントの方の問題ではありませんが、クライエントの方に関わる人であり、その人の抱えている問題を何とかしてあげたい、もしくは何とかして欲しいと思い悩まれておられるのです。

では、心理カウンセリングにおいてなぜ第三者を変えるカウンセリングは出来ないのでしょうか。
カウンセリングの有効性を考える場合、まずはその本人が問題を抱えているという認識があり、その問題を解決して変わりたいと思われているかどうかが問われます。
自分には何の問題もないと思われている方や、問題を抱えていることは認識しているが変わりたくない方は、例えその本人がカウンセリングを受けられても変わるものではありません。

ですから、第三者が自分に問題があると認識され、かつ問題を何とかしたいと思われない限り問題解決には至らないのです。

例えばひきこもりの息子がおり、いかに母が息子のことを心配して何とかして欲しいとカウンセリングを受けられても、息子に問題意識が欠如していたり、問題解決を望まない場合は、心理カウンセラーの母に対するアドバイスもさほど効力はなく、出来ないカウンセリングになってしまうのです。

しかしよくよく考えますと、第三者が自分に問題があり、何とかしたいと思われているのであれば、自分で問題解決のための行動を起こされると思います。
ひきこもりの息子の場合ですと本人自らがカウンセリングルーム等探し出し、動きはじめると思います。

では問題認識もあり、自分を変えたい気持ちもあるが、動き出すことに不安を抱えている場合はどうでしょうか。
変わりたい第三者を変えて欲しいとクライエントの方がカウンセリングを受けに来られます。
心理カウンセラーはクライエントの方の思考、感情、行動、身体反応に焦点を当てますが、悩まれている本人でない限り、自分の状態を詳細に話せるものではないと思うのです。
したがって、やはり悩まれている本人がカウンセリングを受けられる必要があるのです。

それでは心理カウンセリングにおいて第三者の抱える問題に対してどのようなサポートが出来るのでしょうか。
この場合の有効性は、第三者との付き合い方であると思います。

すなわち第三者の抱える問題を除去して、行動を変えることは出来ませんが、第三者との距離の取り方、付き合い方は一緒に考えることが出来ます。

例えば何か問題があると逃げる彼の場合。
問題とは何か、どう逃げるのか、彼の生い立ち、性格、クライエントの方は彼に何をどう期待しているのか・・・。
様々なことを伺い、彼の人物像を明確にしていき、その彼と付き合うためにクライエントの方はどのような言動、態度を取れば良いのか、または彼に対してどのように考え理解すれば良いのか、一緒に考えてアドバイスすること可能なのです。

結論。
第三者を変えるカウンセリングは非常に難しいと思います。
しかし、第三者といかに付き合うか、心理分析を駆使して考えることは可能です。


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