心理学とは何か・2 




心理学、学問の定義は大変難しいです。
前回は國分先生の説をご紹介しました。
今回は星薫先生(心理学入門 日本放送出版協会)よりご紹介したいと思います。


今日の心理学という学問を構成している領域は、もっとも多岐に渡っている。あまりにも広がっていて、一つの学問としてのまとまりがつかないように思えるかもしれないが、行動とその基礎にある心を記述し説明しようという共通の目標を持っている。

大きく区分すれば、現代の心理学は五つぐらいの領域に分けることが出来るだろう。

1 実験心理学
学習心理学、認知心理学、知覚心理学と呼ばれる心理学が含まれている。
これらの心理学の領域では、人や動物がどうやって物を知覚し、学習し、記憶し、問題を解くのかといった、基礎的な心の働きについての問いに対する解答を得るために、心理学者はさまざな研究を行っている。

2 発達心理学および教育心理学
胎児から死を迎えた高齢者までの、生涯にわたる変化について考える。そこでは、どのような変化が起こるのか、なぜ起こるのか、変化の原因のうち生物学的理由と、教育や経験はどう関係してくるのかといった問いにこたえようとしている。

3 生物学的心理学
神経心理学、生理心理学、比較心理学などが含まれる。人を生物として眺めた時、人において特異的に発達した脳と心との関係とか生物としての進化の視点から心を考えようとする。

4 臨床心理学 カウンセリング心理学
病気の患者あるいは日常生活に何らかの問題を抱えた人に対する援助の実践が主目的になる。本当に必要なアドバイスを行うためには、その基礎となる行動や心的過程に関するさまざまな知識が不可欠であることは、言うまでもない。

5 社会心理学
人間は人々の中で生まれ育つ。社会心理学では、私たちがお互いをどういうものとして認識し、お互いにどのように影響し合っているのかを問う。また、産業心理学とか組織心理学と呼ばれる領域では、企業がどうやったら望ましい人材を選べるかとか、どうすれば社員の士気や生産性を向上させられるかといった、実践的な問いに答えることが求められている。


こうしたさまざまな領域で、さまざま問題を探求する心理学ではあるが、心理学を定義するとしたらそれは、行動と心的過程について組織的に研究する学問ということになるであろう。
行動やその背後にある心について知ろうとすれば、心理学者は、深く広汎に考える人でなければならない。つまり科学者のように、哲学者のように、文学者のように、あるいは歴史家のように、そして時には親や教師のように考えることが求められる。

以上、星薫先生の記述を抜粋しました。


分かりやすいですね。
心理学の領域を五つに分けて頂けたことが助かります。

私が心理カウンセリングで大切にしている領域は当然カウンセリング心理学です。
また、人のアイディンティティの問題を考えますと発達心理学も重要と思います。
他、集団における人とのかかわりおいては社会心理学も重要でしょう。

そして最後の「心理学者は深く広汎に考える人」。
いかが思われますか。
その通りだと思います。

心理カウンセラーは心理学、カウンセリングを学ぶだけではなく、「人」としていかにあるか、知識、経験を通して常に自分を磨く必要があるのです。

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